Yoshida X Fujita に学ぶ – 英語力を高める方法と現場で役立つ考え方
上智大学の吉田研作名誉教授と藤田保教授が、英語教育の現状と未来を語ります。
吉田:今回の教科書作りで特に重視したのが、4技能5領域を取り入れた学習法です。リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの4技能に加えて、spoken interaction (やり取りをしながら話すこと) の領域も取り入れることが大変重要だと考えました。
藤田:そうですね。従来の英語教育では、これらの技能が個別に教えられることが多かったのですが、私たちはそれを有機的に統合することで、生徒たちがより実践的な英語力を身につけられるようにしました。例えば、リスニングの後にその内容について話し合うことで、聞いた内容を自分の言葉で表現する練習ができます。
吉田:さらに、リーディングの後には、読んだ内容についての意見を出し合い、グループでディスカッションをすることができます。これにより、ただ読むだけでなく、読んだ内容を理解し、それについて自分の考えを述べる力が養われます。
藤田:発表のスキルも重要です。生徒たちは自分の考えを整理し、それを他の人にわかりやすく伝える力を身につける必要があります。これを通じて、英語での表現力だけでなく、論理的な思考力も養うことを目指しています。
吉田:spoken interactionの領域も欠かせません。実際のコミュニケーションでは、ただ話すだけでなく、相手の反応を見ながら適切に応答することが求められます。これを練習するために、教科書ではロールプレイやシミュレーションを多く取り入れています。
藤田:また、各課の最後には、学んだ内容を総合的に使うプロジェクトを設定しています。これにより、生徒たちは4技能5領域を一貫して活用しながら学ぶことができます。例えば、あるテーマについてリサーチし、その結果を発表するという形で、学んだ知識を実際の場面で応用する力を養います。
吉田:そうすることで、生徒たちはただ知識を学ぶだけでなく、実際に使える英語力を身につけることができます。これは、教室内だけでなく、将来の職業や日常生活でも大いに役立つでしょう。
藤田:そして、これらの活動を通じて、生徒たちは自己評価をしていく力も養います。自分の進捗を客観的に見定め、次に何を学ぶべきかを考えることで、より主体的に学習を進めることができるようになります。
吉田:4技能5領域を統合した学習法は、生徒たちにとって非常に効果的な学習法です。これにより、彼らはOPEN SEAS、すなわち実際の世界で英語を使う力を総合的に身につけることができます。
藤田:今後の英語教育には、単に知識を教えるだけでなく、生徒が自ら考え、主体的に学ぶ力を育てることが必要です。これが実現できれば、生徒たちは自分だけで世界に出て、自信を持ってコミュニケーションをとることができるようになるでしょう。
吉田:まさにその通りです。英語教育の未来は、生徒たちが実際の世界でどれだけ自分の力を発揮できるかにかかっています。これからも、生徒たちが自らの力で世界に挑戦できるような教育を目指していきたいですね。
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